VISIBLE TECHNOLOGY
2022 年 7 月
数値を追求した先にある
本物の生きた音
どれほど原音に忠実なのか。
それを語る上で欠かせないものの一つが性能指標です。
ノイズを排除し、歪みをなくしていくたびに鮮明になっていく、本当の姿。
そこに待っているのは、本物のライブ音によって繰り広げられる世界。
その世界を届けるために、技術を高め、性能を高め続けています。
より微小な信号再生能力を
ローノイズ・テクノロジー
AK4499EX では、S/N=135dB per channel を達成しました。
理論限界に限りなく近いノイズ特性を達成するためには、DACの出力電流生成に用いられる多数の抵抗素子に対して高いマッチング精度が要求されます。
この要求に対し、実効的なマッチング精度を高める技術 DEM が一般的に用いられています。
AK4499EXでは、従来の DEM 技術を進化させた “DWA ROUTING” という新技術を開発し、製造プロセス因の素子ミスマッチの影響をさらに低減しました。
この圧倒的な低ノイズ特性により、かつてないほどクリアに微小信号を再生することが可能となり、よりレンジの広い表現を実現しています。
*DEM --- Dynamic Element Matching
*DWA --- Data Weighted Average
AK4499EX
1kHz,-155dBFS 入力時のスペクトル。32 ビットのハイレゾ音源でしか表現できないレベルの微小信号をはっきりと再現できるのは、この低ノイズ特性ならではの特長です。
より忠実に
ローディストーション・テクノロジー
AK4499EX の THD+N特性は-124dB。
ローディストーション (低歪み)・テクノロジーは、VELVET SOUND テクノロジーを支えてきたアナログ回路技術の一つであり、これまで低歪み特性を特長とした多くの製品を生み出してきました。
半導体回路で用いる素子は様々な歪み特性劣化要素を持っており、それは製造プロセスに依存して変化します。この劣化要因の見極めこそが、 AKMが積み重ねてきた低歪みテクノロジーの真髄と言えます。
AK4499EXでは、新しく採用した製造プロセスの特徴を見極めて従来からの低歪みテクノロジーをさらに進化させることで歪み劣化要因を低減しています。
この圧倒的な低歪み特性により、原音に忠実な信号再生を可能にしています。
AK4499EX
1kHz,0dBFS 入力時のスペクトル。基本波以外の成分が抑制され、20kHz 帯域での THD+N (基本波以外の全高調波+ノイズ積分値) -124dB を達成しています。
より自然に
スプリアスフリー・テクノロジー
AK5578 / AK5572 では、広いダイナミックレンジ 121dB (単チャネル) ~130dB (チャネル加算時) に加え、相互変調歪み特性 -116dB を実現しました。
実際の音楽信号には、複数の周波数成分の信号が含まれています。これらの複数の周波数成分の干渉によるスプリアストーンの発生を、ローディストーションテクノロジーによって抑制しています。
同時に、高いスプリアスフリーダイナミックレンジ (SFDR) も実現し、より自然な音の再現が可能となっています。
AK5572
800Hz,1kHzのデュアルトーン入力時のスペクトル。200Hz, 600Hz, 1.2kHz などの相互変調成分が抑制されており、相互変調歪み -116dB を達成しています。